お衣装について

着せつけ

ポイントは、自然で安定した形

おひなさまを選ぶとき、お顔と衣装の色に目をうばわれがちですが、気せつけた胴の形( 造形)もとても大切な要素です。衣装の色と材質は容易に変えられますが、お顔の表情と着せつけた胴の形は、職人の技術のよしあしで大変な差が現れる部分です。

正面から見て、左右のバランスがよく自然な形のもの、横から見て、不自然な傾きや不自然なボリュームで無いものがオススメです。
正面から見た殿の形は正三角形で安定した形をしています。男性が座ったときの自然な形です。なで肩やいかり肩すぎず、ゆったりと落ち着いて座っている形です。また美しい左右対称な造りです。姫も同様に、女性的なやさしい肩のラインや、長めのたもとが畳にふれるまでの流れが柔らかく自然です。自然で安定した形は見ていてつかれず、飽きずに末永くお飾り頂けます。

着せつけ師

おひなさまの衣装は色彩だけでなく、材質や文様も大切です。文様は数多くあり、選ぶのに迷う所ですが、有職文様もおすすめのひとつです。平安時代からの伝統のひとつである有職文様は、 おめでたい文様である吉祥文様が多く、お祝いに相応しいです。織り込まれた文様のひとつひとつに意味があり、とても奥がふかいとも言えます。

  • 雲鶴文
    雲鶴文
    空高く雲中に飛ぶ鶴の意味から、凡人よりも高く抜きんでた人格のたとえとされた文様です。
  • 黄櫨染
    黄櫨染
    桐竹鳳風文に伝説上の麟麟(きりん)を組み合わせた文様です。天皇が重要な儀式の際に着用する装東の文様です。
  • 桐竹鳳鳳文
    桐竹鳳鳳文
    鳳風は延命長寿の象徴とされ、桐の木に棲み、竹の実を食べたことから、桐と竹と鳳風を組み合わせた格調高い文様です。
  • 雲立湧文
    雲立湧文
    蒸気が立ち昇り雲が沸き起こる様子を表した文様です。蒸気が上に昇るのは、吉祥で縁起がよいとされています。
  • 亀甲文
    亀甲文
    正六角形の模様は亀の甲羅に似ているので、長寿の吉祥文様として非常に愛され、多用されています。
  • 花菱文
    花菱文
    花菱(はなびし)は高貴、上品などの意味をもっています。また、菱形には災難除け、厄除けの意味があります。
  • 菱文
    菱文
    菱形は単純な形ですが美しく、昔から人に愛されて模様に使われてきました。菱形には災難や厄から自身を守る、厄除けの意味があります。
  • 菊唐草鳳鳳文
    菊唐草鳳鳳文
    不老長寿の意味を持つ菊とおめでたい文様である唐草と鳳風を組み合わせた文様です。
  • 七宝
    七宝
    七つの宝物に由来すると言われている文様です。たえることのない永遠の連鎖と拡大を意味し、円満・調和の吉祥文様です。
  • 唐草文
    唐草文
    つる草である唐草は生命力が強く、長寿延命、子孫繁栄の象徴とされています。また、 未来永却栄えるという願いもこめられている文様です。

二重織物について

二重織物とは、全面に亀甲や唐草などの連続文様を織り出して「地文とし、その上に「上文」として丸文などを地とは別糸でとびとびに織り出したものをいいます。女性のお召し物としては格調高い織物です。

  • 亀甲地文梅花
    亀甲地文梅花
    長寿を表す亀甲を「地文」とし、その上に梅の花を「上文」とした二重織物です。梅は寒い時期に真っ先に花を咲かせるので、生命力の強さを尊ばれました。
  • 雲立湧地文向い鶴
    雲立湧地文向い鶴
    吉祥文様である雲立湧文を「地文」とし、その上に向い鶴の丸文を「上文」とした二重織物です。

平安装束の着装

写真の女性は、赤い花菱を「地文」とし、その上に向い鶴の丸文を「上文」とした二重織物です。男性は、黒の雲立湧の有職文様です。

平安装束の着装

人形のえらび方