なぜ
鎧・兜を飾るの?
鎧の「鎧う」とは「身につける」「物をまとって敵から身を守る」という意味があります。お節句の鎧・兜は男の子が病気や事故等の厄災から身を守るためのお守りとして飾ります。そして鎧・兜は一年の無事な成長に感謝し、毎年毎年飾るものです。
愛情のこもったお節句を繰り返し経験した男の子は、「親の愛情」と「自分の存在」に強い自信を持って育ってくれることでしょう。
お節句は「無事に大きく育て」という親の願いが受け継がれてきた、日本ならではの大切な儀式です。
歴史から見る
鎧・兜
古墳時代から存在した鎧は時代とともに変遷していきました。
平安時代末期から鎌倉期、日本の甲冑文化は「技と美」の面で絶頂期を迎えます。
威(おどし)の色は赤・白・紺・紫などの鮮やかな色彩で美しく、金物も装飾的な造りで美しくなりました。
現在国宝に指定されている18領の鎧は、すべてがこの時代のものであり、その技術と芸術性は世界にも認められています。
戦国時代になると、鉄砲が出現し、戦闘方法も集団型徒歩戦へと変化していきました。
その為、鎧はもっぱら防具としてとらえられ、身分を問わず量産型・地味な色合いの甲冑へと変化していきました。