むさしや豊山
東京都認定伝統工芸士認定 / 勲五等瑞宝章受賞作家
創業明治元年、東京都墨田区に工房を構える江戸押絵羽子板の老舗。 五代目となる野口豊生は昭和25年生まれ。先代の実父のもと押絵師の技術を学び、面相師・桜井春山氏のもとで面相技術も習得。 自然な押絵・上品なお顔の表情・全体のバランス。細部まで技術のいきとどいた江戸押絵羽子板です。
特徴
(1)形状〜伝統的でおめでたい扇形〜
むさしや豊山の羽子板は、末広がりでおめでたい扇形の桐板で作られています。
近年、振り袖と言われる扇型から着物のはみ出た羽子板が多くなっております。江戸時代より伝わる江戸押絵羽子板は、限られた板の形の中で、歌舞伎の臨場感や動きをどう再現するかが魅力でもあります。
むさしや豊山は、扇型という制約された形の中で、女性の着物姿・歌舞伎の動きを表現しています。
(2)押絵 〜絵を立体化する押絵技術〜
現押絵とは、綿を包んだパーツを組合せ、絵を立体的に仕上げる伝統技術です。
豊山の押絵は、絶妙な綿の入れ具合によって、自然で奥行ある立体感を作りだしています。女性の着物姿が立体的になるよう、手前にある部分は綿入れを厚く、奥のある部分は綿入れを薄くしています。
近年、綿を大量に入れ、不自然なボリュームを出した羽子板が多くなっております。むさしや豊山の押絵は、女性のしなやか着物姿を、自然で正しく立体化しています。
(3)デッサン 〜構図と色彩〜
むさしや豊山の描く女性は、デッサンが正しく、女性の骨格・腕の動き・着物の流れなどが整っています。お顔や手などのパランスも良く、しなやかな手にも豊かな表情がうかがえます。
また、色鮮やかな着物の配色や、押絵をした後に、手描きで描かれた彩色も見事です。
上村松園作"鼓の音"を題材とした、むさしや豊山作"つづみ"。
本来は四角い上に描かれた絵を、末広がりの形に正しく・美しく収める様、図案化されています。
(4)面相 〜上品な表情〜
通常羽子板は、顔を描く面相師と、身体を作る押絵師が分業して制作されます。むさしや豊山は、先代の父のもと押絵師の技術を学び、面相師・桜井春山氏のもとで面相師としての技術も習得しました。押絵同様、面相もむさしや豊山の手によるものです。
面相は、美人画で有名な上村松園の画風を取り入れており、可愛らしさだけではない、芯がある上品な表情をしています。
髪の毛は、絹糸を黒く染めたスガを使用。お顔には、胡粉(カキの殻を粉にした白色顔料)を塗って白く仕上げ、目や鼻や口などを手描きで描いています。
ご購入方法
むさしや豊山作の羽子板飾りは、オンライン販売はもちろん、店頭にも多数展示しております。ケースや飾り台の組み合わせ変更も可能です。お気軽にお問い合わせ下さい。お電話・メールのほか、zoomやfacetimeでのオンライン接客も承っております。お気軽にお問い合わせ下さい。